ゼロからつくる家系図(5)〜戸籍の読み取り(1)〜 /自分でつくる家系図
 
相続・遺言はこちら
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    ゼ ロ か ら つ く る 家 系 図  (第5号)

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 あけまして、おめでとうございます。
 
    本年もよろしくお願いいたします。


 こんにちは、家系図制作舎サービスを運営している行政書士事務所
 リーガルアシスト横浜の行政書士の清水です。
 
目次
 1.家系図の作成 〜 戸籍の読み取り(1) 〜
 2.ミニ知識 〜 プリンタ 〜
 3.編集後記


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1.家系図の作成 〜 戸籍の読み取り(1) 〜

	はじめに、このメルマガでお話する事について、
	ざっと概要を書いておきます。[第x号]というのは
	すでに話したところです。[■]は今回の話です。

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  家系情報の取得((住民票[第1号]=>)戸籍の取得)
    戸籍の取得
      戸籍/除籍/改製原戸籍[第2号]
      どこからどうやって取得するか[第3号]
      謄本/抄本[第3号]
      定額小為替[第2号]
      戸籍謄抄本等請求書(地域により名前は異なります)[第3号]
      本人確認資料[第4号]
      本人とのつながりを示す資料[第4号]
    戸籍の読み取り
      書式の種類[第2号]
      戸籍の異動原因[■]
      戸籍のどこを読めば良いか?
      数字、変体仮名、地名
  作図
    家系図専用ソフト?wordやexcel? メリット・デメリット
    wordでの作図  テンプレートの使用
    fontの設定など
  その他
    長期保存[第4号]
    プリンタ[■]
    巻物・和本など
    その他
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  今回より戸籍の読み取りに入ります。

  読み取りと書いたばかりですが、戸籍はなかなかに複雑な仕組みを
  持っているので、このメルマガのみで全てのケースに対応することは
  できません。そこで最初に、どういう法律がどう関係しているのか、
  その情報はどこから入手できるのかを、あまり深入りしない範囲で
  書いておきましょう。

(1)民法

  一番の基本は民法です。この法律は全部で1044条あり、大きく5の
  部分に分かれています。
  
  第1編 総則(1−174条):「人」「法人」「物」とは何なのか?
            また「期間」はどう扱うのかなど、民法全体に
            共通することを定めている部分です

  第2編 物権(175−398条):「物(不動産や動産)」を「支配
            (占有、所有など)」して利益をうける権利を
            物権といいます。この権利について定めています。

  第3編 債権(399−724条):人が人に対して一定の行為を請求
            する権利の事。債権を相手側からみた場合「債務」
            になります。「債権」は契約などで発生します。

  第4編 親族(725−881条):親戚といった場合、かなり遠縁の
            人を含む場合もありますが、法律上の「親族」は
            ここで定められています。更に「婚姻」「養子」
            などを定めています。家系図に関係するのは、
            この部分になります。

  第5編 相続(882−1044条):人がなくなった場合、その人に
            関わる「物権」「債権」をどう引き継いでゆくか
            を定めてます。

(2)国籍法

  昨今、国際結婚とか難民などで、子供の国籍がどうなるのか話題になる
  ことがありますが、どういう条件で日本国籍を取得するのか、失うのか
  などを定めた法律です。

(3)戸籍法

  「民法」と「国籍法」により、実際に誰と誰が親族になるのか定まって
  くる訳ですが、この2法では、どう記録するかについては定めていません。
  それを定めているのが「戸籍法」です。
  
  138条あります。民法に比べれば少ないですが、戸籍についてのみで
  これだけあるというのは複雑だということを表していると言えるでしょう。

    第一章 総則(第一条—第五条)
    第二章 戸籍簿(第六条—第十二条の二)
    第三章 戸籍の記載(第十三条—第二十四条)
    第四章 届出(第二十五条—第百十二条)
    第五章 戸籍の訂正(第百十三条—第百十七条)
    第六章 電子情報処理組織による戸籍事務の取扱いに関する特例
             (第百十八条—第百二十条)
    第七章 不服申立て(第百二十一条—第百二十五条)
    第八章 雑則(第百二十六条—第百三十一条)
    第九章 罰則(第百三十二条—第百三十八条)
    附則 

  第1条では「戸籍に関する事務は、市町村長がこれを管掌する。(2)前項
  の事務は、地方自治法第2条第9号第1号に規定する第1号法定受託
  業務とする。」とあります。つまり、戸籍は国が定めるものだけれど、
  国が直接管理するのでなく、市町村が国から委託されて管理するのだ
  という訳です。

  第6条では「戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと
  氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者
  (以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について
  新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、
  これを編製する。」とあります。要は親子の単位で、ひとつの戸籍にする
  という事を言っています。 

  ここで「あれっ?戦前の家制度と、この条文とは整合性がないのではない
  か」と思った方もいるでしょう。

  そのとおりです。昭和22年に全面改正される前の戸籍法では、第9条に
  「戸籍ハ市町村ノ区域内ニ本籍ヲ定メタル者ニ付キ戸主ヲ本トシテ1戸毎
  ニ之ヲ編成ス」とあります。

  再び現行の戸籍法に戻ります。戸籍の異動に関することは第4章に
  出生/認知/・・・・と定められています。この部分については、
  次号で述べます。

(4)戸籍法施行規則

  こちらは「法」でなく「施行規則」となっています。
  
  どういう事かというと、「法」は国会で審議して定めるものなのに対して
  「施行規則」は担当の「省」が定めるものです。この規則では。「省」は
  具体的には「法務省」になります。
  
  なんで、こんなに階層があるのだろうと思うでしょう。
  
  しかし、戸籍法で異動を扱うルールを定めても、それを戸籍簿に記載する
  書き方や届出の書き方などを市町村毎に定めたりすると、解釈のずれに
  よって扱いの違いが発生する可能性があります。それを防ぐために細かい
  ルールを定めているのが、この「施行規則」です。なんで「法」にしない
  のかというと、単純に言って、そこまで細かいことを国会で審議するの?
  という事です。

  しかし、しかしが続きますが、これが官僚機構の力の大きな元。「法」で
  改革したはずなのに、「施行規則」で骨抜きにされたりする訳ですね。
  ちょっと家系図には関係ない話になりました。失礼しました。


この4個の法と規則が、戸籍を読むための法律面の情報元となります。

総務省管轄の「法令データ提供システム」から、現行の法律をオンラインで
無料でみる事ができます。
  http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

ただし、昭和22年の改正前の戸籍法はみることができません。また、
戸籍に記載する際の記述例などの図表まではみることができません。

参考になる本については、当事務所のサイトからリンクする予定です。
	http://legal-assist-yokohama.com/kakeizu/


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2.ミニ知識 〜 プリンタ 〜

  前回、以下のように書きました。

	>これらに比べると、和紙に墨という原始的な方法が一番実績があって
	>確実とも言えます。紙でも酸性のものは劣化してしまいます。墨のかわり
	>に顔料インクで印刷というのも、CD-ROMなどよりは、たぶん確実性が高い
	>んじゃないでしょうか。

	家系図の内容は調べられたとして、それをどうやって形あるものにするか。

	和紙に毛筆で墨というのは、材料を手に入れるのは容易でしょうが、後で
	人に見てもらっても恥ずかしくない字を書くというのは、敷居が高いと
	思う人が多いでしょう。

	自分で書くかわりに、専門家(筆耕業)に書いてもらい、専門家(表装業)に
	巻物などに仕上げてもらうとなると、専門家を探す時間も、費用も結構
	かかります。

	現在もっとも容易なのは、パソコンのソフトで書いて、プリンタで印刷
	するという方法でしょう。

	ただ、これも意外とやっかいだったりします。というのは人数が少なくて
	A4で済めば良いのですが、A3で出そうとすると、プリンタのサイズは
	大きいわ、値段高いわ、となってしまいます。A3となると机の隅に置く
	という訳にはいきません。しかも、染料インクでなく、耐久性の高い顔料
	インクとなると、プリンタを買うだけで、安いところを探しても6万円
	近くなってしまうからです。
	
	もっとも写真に凝っている方だと、すでにそういうプリンタを手に入れて
	いて、問題ではないかもしれません。

	ちなみに家系図作成サービスでは、ほとんどのところがEPSONのA3、
	顔料インク対応のプリンタを使っているようです。
	
	費用を抑えるとしたら、A4で印刷して貼りあわせるあたりが妥当な方法
	かもしれません。



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3.編集後記
 
  前号のミニ知識で「長期保存」について書きましたが、12月27日の日経に
  「デジタル情報の長期保存に暗雲」という記事がでました。

  それによるとハリウッドでは「映画のデジタルはコスト高すぎ、フィルム
  の11倍なのでフィルムで保存している」という事です。コスト面がどう
  なるかまでは試算してなかったのですが、その一例という事ですね。

  それにしても殆ど同じ時期にこういう記事がでるとは驚きました。


  せっかく読んでいただいているので、わからない所があったら、質問して
  くださいね。わからない点は、magazine@legal-assit-yokohama.com や
   http://legal-assist-yokohama.com/kakeizu/QAform.phpから
  質問をお送りください。


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