負債が多かったら

相続財産を調べたところ負債のほうが大きかった。そんな時のために
限定承認と相続放棄という方法が用意されています。

限定承認は複雑な手続きとなるため、あまり使われておらず、平成18年
の司法統計によると相続放棄が約15万件なのに対し、限定承認は1万件と
なっています。

被相続人が亡くなって、自分が相続人であると知ったときから3ヶ月の熟慮期間内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。熟慮期間は家庭裁判所への申し立てで延長することができます。

限定承認

被相続人の所有していた財産や権利・義務を、借金や保証債務なども含めて、正の財産の範囲内に限って引き継ぐこと。相続人が複数人いる場合(共同相続) は、全員が共同でしなければなりません。つまりひとりでも単純承認したら限定承認はできないという事になります。

負債を返済していった結果、正の財産が残ったときには、相続人が受け取ることができます。

相続放棄

相続放棄イメージ

限定承認と違って相続放棄は単独で行えます。相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったものとみなされ、他の相続人が相続することになります。そのため、負債のほうが多いときには、他の相続人がその負債を負うので要注意です。

例えば、被相続人に配偶者と子供、兄弟がいて、直系尊属は亡くなっていたとします。この場合、法定相続人は配偶者と子供になりますが、負債が多くて配偶者も子供も相続放棄するとどうなるでしょう。その場合は兄弟が法定相続人になります。兄弟にとっては寝耳に水かもしれません。もっとも配偶者と子供にとっての熟慮期間が過ぎる直前に相続放棄したとしても、兄弟にとっての熟慮期間は「自分のために相続があったのを知ってから」なので、相続放棄があったことを知ってから開始しますので、いきなり負債から逃げられなくなることは基本的にはありません。とはいっても、きちんと事前に知らせておくのが良いでしょう。

相続放棄は、負債超過の場合でなくても、使われることがあります。例えば、子供が、自分は財産を持っているので、被相続人の配偶者に全遺産がいくようにしたい場合です。ただし、被相続人の親や兄弟、甥姪が生存している場合は、その生存している被相続人の親や兄弟、甥姪が次順位の相続人となるので、相続放棄では目的を達成できません。このような場合は、子供の分をゼロとする遺産分割協議書をつくるという方法が取れます。

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