ゼロからつくる家系図(3)〜戸籍の取得(1)〜 /自分でつくる家系図
 
相続・遺言はこちら
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    ゼ ロ か ら つ く る 家 系 図  (第3号)

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 こんにちは、家系図制作舎サービスを運営している行政書士事務所
 リーガルアシスト横浜の行政書士の清水です。
 
 フルネームでいうと長いですね!

目次
 1.家系図の作成 〜 戸籍の取得(1) 〜
 2.ミニ知識 〜 行政書士、司法書士 〜
 3.編集後記


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1.家系図の作成 〜 戸籍の取得(1) 〜

	はじめに、このメルマガでお話する事について、
	ざっと概要を書いておきます。[第x号]というのは
	すでに話したところです。[*]は今回の話です。

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  家系情報の取得((住民票[第1号]=>)戸籍の取得)
    戸籍の取得
      戸籍/除籍/改製原戸籍[第2号]
      どこからどうやって取得するか[*]
      謄本/抄本[*]
      定額小為替[第2号]
      戸籍謄抄本等請求書(地域により名前は異なります)[*]
      本人確認資料
      本人とのつながりを示す資料
    戸籍の読み取り
      書式の種類[第2号]
      戸籍法、戸籍のどこを読めば良いか?
      数字、変体仮名、地名
  作図
    家系図専用ソフト?wordやexel? メリット・デメリット
    wordでの作図  テンプレートの使用
    fontの設定など
  その他
    データの長期保存
    巻物・和本など
    その他
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  戸籍に記載する内容やその届出、取得方法などは、戸籍法および戸籍法施行
  規則によって、かなり細かいところまで決まっていますが、一部は市レベル
  に任せているところもあるので、請求書の書式など、地域によって違いが
  あります。
  
  戸籍法: http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO224.html
  戸籍法施行規則: 
       http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22F00501000094.html


(1)どこからどうやって取得するか
 
  基本は本籍のある役所となります。
  
  現在、本籍と離れた場所にある場合に現住所の役所に行って請求しても
 発行してもらえないのが基本ですが、同じ市内の役所であれば発行して
 もらえるところもあります。これは地域により異なります。

      戸籍に記載されている情報をすべてコピーしたのが「戸籍謄本」
      特定のひとりの情報のみをコピーしたのが「戸籍抄本」と言い
      ますが、電算化(コンピュータ化)されたところでは、
      名前がかわります。
        戸籍謄本=>戸籍全部事項証明書
        戸籍抄本=>戸籍個人事項証明書
 
      サンプル:
  http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/jigyo/koseki/20080722yoshiki.pdf
 
  役所に出向く以外の方法で、取得するには、ふたつの方法があります。
 ひとつは、駅など便利な場所に設置された行政サービスコーナー(地域により
 名前が違ったり、やっていないところもあるでしょう)で取得する方法。

  もうひとつが郵送請求です。地域によっては、郵送請求セットというの
 を役所が用意して、郵便局などにおいているところもあります。郵送請求
 セットを用意しているところでも、それを使わなくてはならないという事は
 ありません。

  場所/方法によって、取得できる情報が異なります。これをまとめると
 以下のようになります。
 
 ・本籍のある役所:戸籍、除籍、改製原戸籍
    (地域により近接した役所でも可能)
 ・行政サービスコーナー:戸籍
    (地域によっては戸籍のみではないかもしれません)
 ・郵送請求:戸籍、除籍、改製原戸籍

  したがって、家系図の場合は除籍を必要とするので、郵送請求で取得する
 のが一般的になるでしょう。


(2)戸籍謄抄本等請求書

 横浜市のサンプル:
  https://ds-info.city.yokohama.lg.jp/download.rbz?cd=1099&tg=file0_pdf

 地域により名前は異なります。
 
 また、書式が異なっても、必要な事項が記載されていれば、受け付けられ
 ると明記してある地域もありますが、取得したい地域の役所のWEBサイト
 から書式をダウンロードして使うのが間違いないでしょう。
 
 (Aさんの戸籍・除籍をその直系卑属であるBさんが取得する場合)
 
 記載事項(項目名も地域により異なりますが、内容的には同等です):

   ・本籍:Aさんの戸籍
       同じ場所でも一般につかわれている現住所の表記とは
       事なる地番表記なので、書き方は要注意です。
       現行戸籍を取得する場合は住民票にある本籍を、除籍を
       取得する場合は、その除籍を探し出したときの戸籍に
       記載されているものを、そのまま転記します。
       古い除籍を取得する場合など、本籍は同じ場所の現在の
       都道府県や市町村とも全く異なるものがありますが、
       そのまま転記します。

    ・筆頭者氏名:昔の戸籍の場合は戸主になります。Aさんの氏名。

    ・生年月日:記載は必要ありません
    
    ・取得したい戸籍の種類と枚数:必須。
       謄本あるいは全部事項証明書にチェックを入れます。

    ・窓口に来た人の住所、氏名、生年月日:Bさんのもの。必須。

    ・窓口に来た人が請求者本人か代理人・使者の区別:
										請求者本人にチェック
      (郵送請求の場合は、窓口に来た人とは郵送請求した人の事です)

    ・請求者の種別:戸籍に名前のある人
            戸籍に名前のある人の直系卑属・尊属
            他の人
       請求する戸籍に応じて、1番目か2番目にチェック

    ・請求の理由:戸籍に名前のある人
           あるいは戸籍に名前のある人の直系卑属・尊属
           が請求する場合は、記載の必要はありません。
            < 戸籍法10条および戸籍法施行規則11条 >

    「誰それの生まれてから死ぬまでの戸籍と」いうようなチェック欄
    がある場合があります。ある場合はチェックしておくと、同じ地域
    内で更に古い戸籍を一回でまとめて取得できます。こちらにとっても
    役所にとっても手間が省けますのでチェックしましょう。こういう欄
    がない場合でも、どこかに記載しておけば対応してくれるはずです。
    この場合は、必要になる可能性のある分だけの定額小為替を入れて
    おきましょう。


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2.ミニ知識 〜 行政書士、司法書士 〜

 それぞれ、行政書士法、司法書士法で定められた国家資格で、年に一回
 試験があります。
 
 管轄する省が違っていて、行政書士は総務省、司法書士は法務省で弁護士と
 同じです。
 
 司法書士のほうがやる事がわかりやすく、不動産や会社の登記および裁判
 関係の書類作成、小額訴訟などの業務をします。
 
 これに対して、行政書士は判りにくくて、条文から概略を抜き出すと、
 「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は
 事実証明に関する書類を作成することを業とする。行政書士が作成すること
 ができる契約その他に関する書類を代理人として作成したり相談に応ずる
 こと。」となります。ただし、他の士業が専門に扱うとされているものは
 扱えません。その一例として、官公署に提出するといっても裁判の訴状
 などは作れません。
 
 具体的には、相続における遺産分割協議書作成や遺言作成のサポート、
 契約書、法人の定款作成、各種の許認可申請書(食品営業、建設業、農地法、
 開発、宅地造成etc)の作成など多種多様な分野があります。単純に言うと
 許認可に関する法律が成立すると、仕事の対象が増えるという事です。

 家系図は事実証明に関する書類のひとつになります。
 
 では、行政書士しか家系図を作っていけないかというとそうではありません。
 あくまでも本人の代行として作るので、本人がつくるのは勿論OKとして、
 他人のものでも「他人の依頼を受け報酬を得て、業とする」でなければ、
 要は完全なボランティアとしてやる分にはできる事になります。この場合
 は、先ほど説明した「戸籍謄抄本等請求書」では、代理人にチェックし、
 本人からの委任状もつける必要があります。行政書士との違いとしては
 報酬のある・なしの他に秘密保持が法律によって義務付けられているか
 どうかの違いがあります。
 
 
 来年からの裁判員制度ですが、司法書士は対象外、要は司法制度の一員
 だからという理由でしょう。行政書士は対象です。


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3.編集後記
 
 自分はよく献血をしていますが、今日の日経朝刊によると、来年の3月から
 は献血で糖尿病の検査も加えると発表があったそうです。時間はかかる
 けれど、成分献血だと身体への負担も少ないし、身体の状態もいろいろと
 チェックできるので、やってないかたもやってみてはどうでしょう。
 場所により違うけれど、お米、歯磨き、食べものなど記念品もあります。

 気をつけてはいますが、直しているうちに文章のつながりがおかしく
 なったりしている事もあります。
 
 せっかく読んでいただいているので、わからない所があったら、質問して
 ください。わからない点は、magazine@legal-assit-yokohama.com や
  http://legal-assist-yokohama.com/kakeizu/QAform.phpから
 質問をお送りください。


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